2010年8月24日~25日 プライマリーコース2日間(輸出事業者向け)を実施いたしました。
・日時:2010年8月24日~25日
・地域:関東
・コース:プライマリー2日間コース(輸出業者様向け)
・目的:査定および検査の基礎知識・技能を習得する
・内容
・査定に必要な項目について
・オークション出品票の記載内容について
・修復歴車の定義について
・出品票記載と実車のすり合わせ(修復箇所等)
・講師名:橋本
ジャッジメントの橋本でございます。
先日、中古車輸出業者様向けに査定・検査研修を実施いたしました。
◆検査は距離感と角度が大事?
今回の受講者数は6名でした。
弊社で担当しております輸出業者様向け研修は、『検査・査定を未経験』の方が対象ですので、これから2日間でどこまで伸びるか今回も楽しみです。
いつものように1日目は査定時に必要な『オークション相場』について学んでいただき、2日目は、猛暑が続く屋外での実習です。
まだまだ暑い日は続きそうです・・・・予想だと猛暑は10月まで続くとか・・・。。。
輸出される中古車がずらりと並ぶ埠頭、そして乙中業者さんのヤードを見学した後にいよいよオークション会場へと向かいます。
まずは弊社の検査研修では定番であります、
・ジャッジ流再塗装の見極め方
・ジャッジ流外板部位の状態見極め(ボルト)
・ジャッジ流外板部位の状態見極め(溶接)
と、一通り『外板部位の見極め』についてポイントを紹介した後に実習をスタート!
今回のサンプルカーは『トヨタ カローラ(120系)』
輸出の定番車種、そしてボディカラー。
実習にはもってこいの実車です。
まずは再塗装のチェックからはじめてもらいました。
ボルト、溶接問わず外板部位の各所をチェックして新車状態との違いを確認する受講者様。皆様既に汗だくとなっております。
一通りチェックが終了したら答え合わせです。
ちなみに、このカローラはトランクリッドだけ再塗装されていました。
さてここからが重要です。
次にそれらの外板が『パネルの再塗装のみなのか?もしくはパネルの交換までされているのか?』を確認していただきます。
受講された皆様は、熱心にトランクリッドの確認ポイントをチェックしています。
査定・検査をご経験されている方であれば、もうおわかりでしょうが、
代表的な確認ポイントに『ボルトを回した痕跡が残っているか?』
と、いうものがあります。
これは読んで字のごとく、取付けボルトの状態を確認するわけですが、
この際に大事なのは、『自分とボルトとの距離感』です。
ボルトの回した痕跡はボルト自体に残るわけなのですが、
遠目に見た場合、この痕跡に気づかないことがあります。
今回のカローラのボルトはこのような状態でした↓↓↓
ボルトの角にわずかに痕跡が残っているのがおわかりいただけますか?
写真で見れば『そんなの見ればわかるよ!』
と、思われてしまうかもしれませんがこれはボルトとカメラの距離感が20センチしかないから気づくのです。
リヤバンパー付近に立ってそのまま目を近づけなければ気づく可能性はぐっと低くなります。
『怪しい箇所に気づかない』は、
そのまま『見落とし』につながる恐れがあるのです。
ボルトの回し跡は基本中の基本ですが、意外と修復歴の見落とし要因は『ボルトの回し跡』にあったりするのです。
結果としてトランクリッドには交換歴がありました。
なぜわかったのか?
それは・・・・・研修受講してください(笑)。
では続いて、トランクフロアの確認です。
トランクマットをめくりフロアの状態を見ることができます。
ただここでも注意すべきポイントがあります。
それは『見る角度』。
トランクフロアの場合、外側からの衝撃は、
『リヤエンドパネルとの接合部周辺』
に入ります。
では、上の写真だとそれは確認できるでしょうか?
見えませんよね。
要するに、トランクフロアの状態確認は、上の写真のようなアングルで終わらせてはいけないということなのです。
頭を潜り込ませるようにして、エンドパネルとの接合部周辺を観察すると、
修正された跡を確認することができました。
今回のカローラでお伝えしたかったのは、
①検査は各ポイントに合わせた距離感が大事
②『眺めた』と『確認する』は違う。確認するなら適切な角度を考えることが大事
の2点です。
今回受講された方々も、その重要性をこのカローラで理解することができたようです。
そして、
『修復歴があるけど、こんなに上手に修理されているのなら仕入れても大丈夫ですね!値段も安いだろうし(笑)』
と、早速『輸出業者』として頼もしい言葉が出てくるようになりました。
これから仕入が楽しみですね。
それではまた次回お会いいたしましよう
Posted by 研修講師 on 8月 31, 2010 学問・資格査定研修検査研修修復歴関東関西新車ディーラー中古車販売店車買取専門店輸入車販売専門店国産車ディーラー輸入車ディーラー日本車ドイツ車イタリア車アメリカ車イギリス車フランス車未経験者初心者基礎知識実車実習技能習得効果測定 | Permalink